不動産を探すときに、よく希望条件としてあがる「駅近」。
この「駅近」には厳密な定義がありません。一般的に、徒歩5分前後であれば駅近に感じる、という意見が多いようです。
ただし、この「駅から徒歩○分」というのが要注意です。
不動産屋や不動産サイトの物件案内に提示されている徒歩○分。
これは、『不動産の表示に関する公正競争規約』で算定方法が決められていて、
距離80mを徒歩1分で歩くものとして、端数は切り上げます。
徒歩 | 距離 |
1分 | 80m |
3分 | 240m |
5分 | 400m |
10分 | 800m |
15分 | 1.2km |
20分 | 1.6km |
歩く速さは人によってそれぞれ違うこともあり、ヒールを履いた女性が歩く速度を基準にしています。
「1分=80m」ですが、これは信号や踏切など待ち時間は含まず、ひたすら止まらず歩き続けた距離で計算しています。そして、「駅から」というのは駅出入口であり、「物件」は敷地の端までの距離になっています。
ですから、地下鉄の駅やターミナル駅などは、電車を降りて駅出入口まで歩くとなると、それだけで5分かかってしまうこともあります。
しかも物件が大型マンションだったりすると、マンション敷地の端までの算定なので、マンション敷地に入ってから、メインエントランスを通りエレベーターに乗り、自室の玄関まで移動する距離もあるので、さらに時間がかかるわけです。
「駅近5分」だと思って決めたのに、実際暮らし始めてみたら、実は倍近い時間を要する…なんてことも少なくありません。
不動産屋の案内で車で数件の物件を内見される場合、駅からの道のりがわからないまま案内されて、物件を気に入って契約してしまうこともあると思いますが、図面にある「徒歩○分」は、あくまでも目安です。
内見時は実際に歩いて確認することを、おススメします!