決まり文句に惑わされないで!(前編)

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カテゴリー: 不動産&業務 | 売買コラム


決まり文句とは…「他に検討している方がいらっしゃいます」のこと

マイホーム購入を検討して物件の見学を始めると、案内してきた営業マンが「他に検討している方がいらっしゃいます」と言ってくる場合があります。見学しているお客様の様子から「興味がありそう」「気に入っていそう」という雰囲気がある時に、営業マンが使う常套句です。

そう言われると気に入っている分、余計に欲しくなり、なんだか気持ちも焦ってしまいますよね。

でも同じ時期に同じ物件を同じような熱量で検討している方がいることは、そうそうありません。

ではなぜ、「他にも検討者がいる」と言うのでしょうか?
ひとつは一般的な営業のテクニックで、お客様が決断する最後の一押しのために、こうした言い回しを使うことはあると思います。それとは別に、焦らせるために「煽る」営業マンもいて、これには注意が必要です。

こうした営業マンは、他にも検討している方がいるので、とりあえず申込を入れないと先を越されてしまいます」「今、申込をすれば確実に押さえられます」と焦らせて申込書を書かせようとしてきます。

申込にはお金がかからないことも多く、キャンセルもできるので、煽られた勢いで「それならとりあえず書いておくか」と、営業マンに言われるまま、気軽な気持ちで申込する方もいるのですが、中には申込さえもらえば何とかなる、と考えている業者もいます。いざキャンセルしようとすると、営業マンに延々と説得され、最終的には買わされてしまうこともありえるのです。なんとか買わされずに済んだとしても、無駄な時間と労力がかかってしまいますよね。

申込書について少し詳しくお話すると、『不動産購入申込書』『買付証明書』などいくつかの呼び方がありますが、いずれも購入の意思表示になります。
「この物件をこの金額、この条件で購入します」ということを、売主様や不動産業者に表明するものなのです。そしてこの申込書をもって契約に向けた準備が進むことになり、たくさんの人が動くことになります。キャンセルしてもペナルティはありませんが、自分以外の多くの人に迷惑がかかることを考えると、「とりあえず」と軽い気持ちで書くものでないことはお分かりいただけるのでないでしょうか?
しっかり、じっくり考えてから!ですね。           

~(後編につづく…)~